佐久市子ども未来館のあるべき姿
報告書
平成29年3月
目次
現状把握
(1) 時代 ・ 社会の傾向 ………2
(2) 佐久市子ども未来館の現状 ………3 リニューアルの方向性とコンセプト
(1) リニューアルの前提………6
(2) リニューアルの方向性 ………6
(3) リニューアルコンセプト ………7 佐久市子ども未来館のあるべき姿
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年
度
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年
度
リニューアル計画策定の基本的な流れ
1.現状の把握
(1) 時代・社会の傾向 (2) 未来館の現状
3.佐久市子ども未来館のあるべき姿
(1) プラネタリウムの検討 (2)展示、実験等の検討
2.施設コンセプトとリニューアルの方向性
プラネタリウム内容の検討
プラネタリウムプロポーザル
プラネタリウム改修工事
展示の内容検討
報告書
展示のプロポーザル資料検討
プラネタリウム
プロポーザル資料の決定
◀第2回委員会
◀第3回委員会
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現状把握
(1) 時代・社会の傾向
①社会状況の変化・インターネットなどの情報通信技術の普及によって、 誰でもどこでも必要な情報や知識が 得られる社会となった。 その反面、 体験・経験による実感できる理解や学習が希薄になっ ている。
・科学技術が高度化し、 環境が社会的な問題になるなど科学技術の仕組みが変化し、 科 学の対象領域が広範になってきている。 そのため、 科学というものが理解しにくくなって きている。
・日本におけるロケット打ち上げ成功など宇宙開発技術の進化と多くの宇宙飛行士の国際 的な活躍により宇宙や天文に関する人気が高まっている。
・ 近年の日本人のノーベル賞連続受賞により科学に対する興味が高まっている。
②子どもの学習と科学
・共働き家庭が増加し、 子どもの放課後の過ごし方が、 自宅で子どもだけで過ごす、 習い 事などに通うなど、 昔の 「外遊び」 から変化してきている。
・ゲームやインターネットの普及から、 子どもの遊びが自宅での一人遊びに変わってきてい る。
・子どもたちが普段の遊びや生活の中で、 自然に親しみ、 自然の不思議を見つけて好奇 心や想像力を発揮できる時間や場が少なくなってきている。
・学校教育においても、 多くの内容を限られた時数で指導することから、 実験 ・観察を満 足いくまで繰り返すことが難しい状況にある。
・ 「理科の実験 ・ 観察は楽しいから好きだが、 それが何の役に立つのかが分からない。」 と いう声が中学生になると多くなる。 最近発表された文部科学省の全国学力 ・ 学習状況調 査の結果からも、 中学生の理科離れが指摘されている。 (学んだことを実際に活用して いかないと、 子どもたちの興味関心は高まらないことも指摘されている。)
・先端技術や高度化した科学技術は、 難解で近づきがたいなどの 「苦手意識」 を子ども たちに印象づける傾向にある。
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現状把握
(2) 佐久市子ども未来館の現状
① 利用者状況・ 油井宇宙飛行士の名誉館長就任やイベントにより平成 27 年度は 10 万人を突破した。
・ 学校の見学に対してバスを用意することにより、 市内の小学校の利用がかなり多くなった。
・プラネタリウムは人気キャラクターのプログラム ( デジタル式 ) により増加し、 平成27年度 は3万人近い利用があった。
・ 雨の日には林間学校などの小学生が利用する傾向にある。
・ 幼児 (親子連れ) の利用が多いが、特に幼児用プログラムがある日は利用者が増加する。
・ 特別支援学級の子どもたちの利用も多い。
・ 平日は学校団体の利用、 土日は家族づれが多い。
・ 『佐久市子ども ・子育て支援に関するニーズ調査』 では、 未就学児童では 33.5%、 小 学生児童では7%が未来館を利用した事がないと回答している。
② 活動状況
<プラネタリウムでの活動>
・ 年3回の天体観察会を開催し、 プラネタリウムで星の見方を説明している。 その後、 屋外 で観察会を実施している。 冬は星空バスツアーとし 「うすだスタードーム」 で観察会を行っ ている。
・ 「マタニティプラネ」 や 「はじめてのプラネタリウム」 など、幼児や保護者を中心とした、 誰 でもが楽しめる番組 (イベント) を開催し、 人気を博している。
・ 星空劇場や星空コンサートなど、 プラネタリウムの舞台、 演出装置として活用するイベント などを実施している。
・小学校の団体利用に対して、 オリジナルの学習番組( 「月の満ち欠け」 等) や映像番 組を投影している。 幼児向けのプログラムもある。
<科学体験工房等での活動>
・ 毎週土日は、 実験教室を開催している。 (科学体験工房)
・ 工作をメインとしたワークショップを開催している。
・ 夏休みや冬休み時に企画展を開催している。
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現状把握
<未来館全体での活動>
・友の会やクラブなどが無く、 利用者と未来館が交流し、 コミュニケーションする場や機会 が不足している (リピーターの確保が出来ていない)。
③ 立地や環境の特性
・ 住宅地の中に立地している。 新幹線駅や高速のインターにも近い。
・ 岩村田商店街に近い。
・ 周辺には、 うすだスタードーム ( 天体観測施設 )、 臼田宇宙空間観測所などがある。
・ 山、 川、 高原など、 自然豊かな環境が身近にある。
・ 中山道、 岩村田宿など、 文化的な環境が身近にある。
④ 子ども未来館(科学館)への要望等(利用者等の声)
・ 幼児が体験できるアイテムが欲しい (科学に親しめるもの)。
・ 子どもも大人も (親子で) 気軽に科学を楽しめるものが欲しい。
・ 学校の授業で活用できるコンテンツを増やして欲しい。
・子どもの理科離れの対策として、 小学校の授業における理科教育支援や、子どもたちが 遊びながら安心して科学に親しめる場が欲しい。
・学校と密に連携し、 学校の授業では時間や設備の関係で出来ない応用実験などを未来 館で引き継いで実施して欲しい。
・学校や家で出来るものではなく、 未来館に来なければ出来ないような体験、 実験、 工作、 イベントなどをして欲しい。
・ただ 「作る」 だけではなく、創意工夫するなど、体験型のワークショップを実施して欲しい。
・ スタッフの専門性 ( 教育やコミュニケーションについてなど) を高めて欲しい。
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現状把握
⑤ 施設設備の状況ープラネタリウム
・ 使用機器が老朽化し故障が多い。
・ 修理部品が製品ストック期間を越えているものもあり、 調達が困難である。
・ デジタル映像機器がレンタルであり、 制御機器が旧式のため表現に限界がある。 ※本館 のプラネタリウム運用に適したハードを選定する必要がある。
⑥施設設備の状況ー展示物
・ 日進月歩の科学の最新情報が反映できていない。
・可動型の体験装置や映像ハードなどの部品が製品ストック期間を越えているため、 修理 が困難となっているものが増えてきている。 (装置を取り外し、 そのままになっている場所 もある)
・ 環境演出グラフィック、 解説グラフィックの経年劣化により退色している。
・ 造り付けの展示であるため、 何回来ても変化がない。 展示のデザインや仕組みの工夫に インパクトが不足している。
・ 近年増加している双方向コミュニケーションの展示装置 (インタラクティブ展示) がない。
⑦施設設備の状況
・ 館全体の床、 壁、 天井が劣化している。
・ 空調の不具合がある。
・ 繁忙期における駐車場の確保が必要である。
・ 未来館と立体駐車場を結ぶ歩道橋の塗装が劣化している。
・ 来館者より駐車場のバリアフリー改修への要望が出ている。
(1) リニューアルの前提
◯設置条例「子どもの科学に関する知識の普及及び啓発を図り、もって次世代を担う創造性豊かな子ど もの育成に寄与するため、設置する」に基づく。
◯リニューアル検討範囲
リニューアル検討範囲はプラネタリウム、展示とする。双方同規模の費用配分とする。
(2)リニューアルの方向性
①キーワード社会背景や館の現況、館への要望を踏まえ、以下をリニューアルのキーワードとする。 ◯幼児の心と体を育てる ◯「佐久」の特徴を大切にする
◯体験・体感を重視 ◯コミュニケーションを大切にする ◯不思議を感じる体験を重視 ◯子どもの興味と好奇心を大切にする このキーワードをもとに、今後の館の方針や活動を強化・充実していく。
また、このキーワードを付加した新たな佐久市子ども未来館の方針を以下に示す。
②ターゲット
ターゲット
「こども」― 乳幼児、小学生、中学生。
サブターゲット
「佐久の子どもに関わる大人」― 保護者、教員、周辺地域の大人→親子、家族等
③施設の役割
■宇宙・自然・科学に興味・関心をもつ、入口<きっかけづくり>
子どもの興味をひき、宇宙・自然・科学を知るそして好きなるきっかけを提供する。子どもたち の好奇心を刺激し、学ぶ楽しさ、創造力の向上、そして子どもたちが自ら未来の夢へ向かっ ていく素養を育む。
■どの年齢の子どもでも、どんなハンディがあっても、みんなが集える「居場所」
子どもの年齢や状況に応じた宇宙・自然・科学の体験を提供し、誰もが楽しんで学べる環境
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リニューアルの方向性とコンセプト
■コミュニケーションによる人づくりと学び
子ども未来館では、プラネタリウム、展示、施設活動のすべてに人と人とのコミュニケーション を重視し、人と学び合う楽しさと、より深い学びを提供する。
また、多世代、多分野、地域がコミュニケーションできる、宇宙・自然・科学を通してつながっ ていけるしくみを創出していく。
さらに、国際的なコミュニケーションも視野に入れ、活動と学びを広げ、子どもの未来の夢に つなげていく。
■佐久の特徴を活かした「佐久ならでは」の活動の充実
佐久は山(火山含む)や川、高原など自然環境に富み、天体観測にも優れた場所である。こ の環境を活かすとともに、歴史・文化を踏まえた「佐久ならでは」の活動を行い、創造力豊か な「さくっ子」の育成に寄与する。
■地域連携の中核施設
子ども未来館を核として、小学校や中学校、県内大学や企業、NPO、博物館などとの連携を 図り、新たな地域ネットワークを構築することにより、人・モノ・情報・ノウハウを共有し、地域全 体の科学に関するレベルアップ、そして地域力のベースアップを図る。※学校カリキュラムと の連動、出前講座、オールマイティパスの発行などを実施する。
また地域に限らず、特定分野についてはJAXAなどとの連携も強化し、最新の科学技術を受 発信する場とする。
(3) リニューアルコンセプト
宇宙と自然を科学する体験をとおして
人と人とのコミュニケーションで
子どもと未来とまちをつなぐ
天文・科学
体験 コミュニケーション
佐久市子ども未来館
子どもの素養を育み 未来への夢につなげ 地域とともに子どもを育む
(1)プラネタリウム
プラネタリウムは、天文や宇宙を身近に感じることができ、科学への関心を深めることができる 大切な入口である。館の目的と役割を果たすためのソフト(投影番組や活動)の検討と充実、 またそれを可能にする使い勝手の良いハードの選定が必要である。
<継続が必須の活動(ソフト)>
◯学校対応番組
・オリジナル解説番組 … 学校の単元や各学校の要望に応じた番組。
・映像番組 ……… プロジェクター投影の映像。学校の単元に合わせた番組がある。
◯佐久の星空解説 …… 生解説の番組。四季の星空や今月の星空など、タイムリーな天体 イベントなども盛り込める佐久オリジナルの番組。
◯映像投影番組 ……… 人 気 キ ャ ラ ク タ ー や ア ニ メ な ど に よ る 、 星 ・ 宇 宙 ・ 環 境 な ど を 扱 う 、 プロジェクター投影の番組。幼児番組は人気が高い。
◯プラネタリウムコンサートなどドーム空間を生かしたイベント。
<今後のプラネタリウムで行うべき活動など>
◯幼児・親子向け番組
◯佐久の自然や歴史・文化を取り入れた番組
◯コミュニケーションを重視した、双方向のやりとりが出来る番組
◯館外にもツアーなどで繋げていけるもの
例) プラネタリウムで当日の夜空解説や星の見つけ方など、基礎内容を学習をしたあと、臼 田の天文台などへ移動して天文観測をするなど。
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佐久市子ども未来館のあるべき姿
<必要な活動を実現するためのハード与件>
◯星の数や見え方について
・ 星の数は、主要な星座(日常的に自分たちが見られる星座)が分かりやすく解説でき れば良い。
◯演出性と使い勝手
・オリジナルでさまざまな演出が手軽に出来ることが望ましい。 ・コミュニケーションが出来るしくみがあると良い。
(2)展示
展示は、開館当初からの基本的な考え方と7つのテーマ構成を継承する。
<展示の基本方針>
「宇宙」の創造から、「地球」の誕生、「生命」の歩みを一連のストーリーで語り、子どもたちに、 宇宙と地球の誕生以来、連綿と続く生命のすばらしさ、大切さを実感してもらい、人、友、そし て自分自身をもう一度新たな目で見つめ直して、未来への豊かな夢を育んでもらえる事を目 指す。
<7つのテーマ構成>
「地球」「水・大気」「生命・生物」「人類・人間」「天体」「宇宙開発」「未来」
※ リニューアルに際して、「未来」ではグローバルな視点、進歩を続ける「科学技術」を取り 入れていくこととする。
<現在の展示の活用方法>
◯自由見学 (一般来館者、 学校団体とも) ◯参加体験型のワークシート (クイズ形式) など
※スライダーやムーンウォーク等の一部体験装置は時間を決めて実施
<今後必要と思われる展示の要素>
◯幼児が体験できるもの
◯自然の不思議などを体感できる展示 ◯デザインや仕組みを工夫した展示
◯好奇心を喚起させ、 試行錯誤できる展示 ◯素朴なもの、 身近なものを不思議と思える展示 ◯地域と連携できるテーマ、 内容のもの
◯ 子どもたちが、 名誉館長の油井宇宙飛行士を目指すべく、 宇宙・天文のウェイトを高める。 生い立ちなどがわかる特別展示コーナーが必要
◯国際性、 最新技術を取り入れた展示
◯天文 ・ 科学の最新情報が伝えられる展示 (展示更新が可能な展示)
※ 市内のうすだスタードーム、 JAXA 等との連携により、 宇宙開発の現場、 国際宇宙ステー ションなどの情報を発信していく。
子どもが宇宙飛行士を目指せる、 憧れを抱ける内容を紹介していく。
◯コミュニケーションが生まれる展示。 (一緒に考える、 いっしょにやってみる等のきっかけ となる装置や仕組み)
◯展示解説、 展示の先を促すスタッフ
※展示の疑問に対して、 一緒に答えを探してくれる、 応えを導き出すサポートをしてくれ るようなスタッフがいることにより、 自分で考える、 試行錯誤
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佐久市子ども未来館のあるべき姿
(3)施設活動(科学実験、体験ワークショップ、各種イベントやクラブ等)
施設活動は、子どもたちの体験活動には欠かすことの出来ない活動であり、学びを深め、来 館者満足度、リピーターの確保に重要な役割を担います。科学実験工房、図書コーナー、 企 画 展 示 室 、 ま た は 展 示 エ リ ア を 有 効 に 活 用 し 、 施 設 の 目 的 の 達 成 と さ な ざ ま な 年 齢 層 の ニーズに応える活動を実施する必要がある。
<現状の活動等>
◯土日の科学実験
◯ちびっこルーム(期間限定)
◯企画展の開催
◯星空ツアー(プラネタリウムと合わせて館外での観察会を実施) ※プラネタリウムにも記載
<今後必要と思われる施設活動>
◯平日昼間・乳幼児向け活動
乳幼児・保護者向けの企画を充実させるとともに、子育て関連のNPOや市の事業と連携し て実施する。
・ちびっこルームを常設化する。
※企画室の使用状況などにより、場所を移動するなどの工夫をし、常設化を目指す ・ちびっこサイエンス
い ろ ん な 素 材 、 色 や 形 を 用 い て 、 風 に 飛 ば し て み る 、 水 に 浮 か べ て み る な ど 、 遊 び な が ら、思考錯誤する(サイエンスにつながる)活動
・運動に関する市内のNPOや関連事業と連携したプログラムを実施する。 未来館ならではの「からだのしくみ」など科学の要素を取り入れる。
◯平日昼間・学校対応活動※学校との事前協議で内容を調整する。
これまでのプラネタリウムの上映や展示見学に加え、学校と連携し、授業と補完しあえる内 容の実験や工作などを取り入れる。
・科学実験ショー
・星座早見表づくりと望遠鏡体験
◯土日・親子向け活動
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佐久市子ども未来館のあるべき姿
◯その他、継続活動
「未来館クラブ」など、科学実験や天文研究などが、子どもの興味で行える、また、中学生・ 高校生になっても続けて参加できるような会を設置する。
施設活動プログラム案